競技性の高いゲームタイトルの大会配信では、わずかなフレームドロップやラグが許されません。1台のPCでゲームプレイと高画質配信を同時に行うのは限界があります。そこで登場するのが、ゲーム用と配信用でPCを分ける「2PC配信」です。
なぜ2PC配信が必要なのか?(メリット)
- ゲームのパフォーマンスを最大化:配信ソフト(OBS等)がCPU/GPUリソースを消費しないため、ゲーム側で高いFPSを維持できます。
- 配信の安定性:万が一ゲームがクラッシュしても、配信PC側は生きているため、放送が止まる(ブラアウトする)ことを防げます。
- 高度な制作が可能:配信PC側で多数のプラグインやオーバーレイを動かしても、ゲームに影響を与えません。
必要な機材・ツール
- ゲームPC:高リフレッシュレートでゲームを動かすスペック。
- 配信PC:映像エンコード(x264またはハードウェアエンコード)を担当するスペック。
- キャプチャーボード:ゲーム映像を配信PCに取り込むための機材(Elgato 4K60 Pro等)。
- またはNDIツール:有線LAN経由で映像を転送する無料ソフトウェア(機材不要)。
構築手順 1:キャプチャーボード方式(推奨)
- ゲームPCのグラフィックボードから、HDMIケーブルでキャプチャーボードの「IN」に接続します。
- (パススルー利用時)キャプチャーボードの「OUT」から、自分のメインモニターに接続します。
- ゲームPC側のディスプレイ設定で、モニターを「複製」または特定の出力先に設定します。
- 配信PCのOBSで「映像キャプチャデバイス」としてキャプチャーボードを選択します。
構築手順 2:NDI方式(低コスト)
- 両方のPCを同一ネットワークに有線LANで接続します。
- 両方のPCに「OBS NDIプラグイン」をインストールします。
- ゲームPC側のOBSで「ツール」→「NDI Output Settings」を有効にします。
- 配信PC側のOBSで「ソース」→「NDI Source」を追加し、ゲームPCを選択します。
注意点:NDI方式はネットワーク帯域を大量に消費するため、1Gbps以上の安定した有線LAN環境が必須です。Wi-Fiでの運用は推奨しません。
音声周りの課題:どうやって音をまとめるか?
2PC配信で最も苦労するのが音声です。ゲーム音、実況の声、Discordの音をどうやって配信PCに送るか。主に2つの方法があります。
- オーディオインターフェースを使う:物理的なミキサーや、Yamaha ZG01のような2PC対応機材を使う。
- 仮想オーディオミキサーを使う:Voicemeeter BananaやElgato Wave Linkなどのソフトで、ネットワーク経由(VBAN)で音声を飛ばす。
まとめ
2PC配信は構築の難易度が高いですが、一度完成すれば「絶対に落ちない、最高画質の配信環境」が手に入ります。本格的なeスポーツ大会を目指すなら、ぜひ挑戦してみたい構成です。
revideが作っているもの
2PC配信のような複雑な環境でも、ブラウザから一括してソース管理ができるツールをrevideでは開発しています。機材の制約を超えて、より自由な演出を可能にするeZroにご期待ください。